HSP(親の視点)

HSPの私が「悩んでないのに動けない」状態になった理由|心ではなく脳のSOSだった

頑張りすぎて、理由がわからないのに動けなくなった私へ

それは「心」じゃなくて「脳」のSOSだったのかもしれない(HSPのうつ経験)

「悩んでいるわけじゃないのに、体がついてこない」
「気持ちはあるのに、動けない」
「頭が回らない。物忘れが増えた。焦りだけが大きくなる」

もし今、そんな状態にいるなら、あなたに最初に伝えたいことがあります。
それは“甘え”でも“怠け”でも“メンタルが弱い”わけでもないかもしれない。

もしかしたら、あなたの「脳」と「神経」が、ずっと頑張り続けた結果、限界サインを出しているのかもしれません。

私はHSP気質を持つ母親として、HSCと発達障害の特性をあわせ持つ息子と過ごす中で、ある時期から、まるで燃え尽き症候群のように動けなくなっていきました。
そして精神科のオンライン問診で「うつ症状」と診断されました。

この記事は、「頑張りすぎて心当たりがないのに動けなくなっている人」に向けて書きます。
“心の問題”として自分を責めてしまう人が、ほんの少しでも楽になれますように..


「うつになる時間なんてない」と思っていた頃の私

不登校の親がうつになる——という話は、療育先などで耳にしたことがありました。
でも当時の私は、どこかでこう思っていました。

「私には、うつになっている時間なんてない」

息子の状態は、私の状態に直結します。
私息子はHSCと発達障害の特性を併せ持っていて、困っているのに周囲から理解されにくいことがありました。
そのたびに私は、「どう動くか」「誰に何をどう伝えるか」を考えてきました。

私は深く考えすぎるタイプではあるけれど、「深く悩んでいるか」と言われると、少し違います。
どちらかというと、悩み続けるより、止まらずに対処して、前に進みたかったんだと思います。

そして何より、私の状態は息子に影響します。私が沈んだり、思い悩む時間が増えることは、
息子の人生にとってデメリットになる——そんなふうに考えてきました。

だから、なるべく感情をコントロールして、立ち止まらないようにしてきました。
でも今思うと、それもまた、脳(神経)には負荷が積み重なっていたのかもしれません。


小学校卒業後、静かに始まった「燃え尽き」と焦燥感


息子がホームスクールで過ごし、小学校を卒業した頃。私の中で、何かがぷつんと切れたように感じました。

  • 焦燥感が悪化する
  • 物忘れがひどくなる
  • “やる気”はあるのに、動けない
  • 呼吸を整えないと落ち着かない
  • 月日が経つほど、なぜか焦りが増えていく

不思議だったのは、ここです。心理的に悩んでいるわけではないのに、動けない。

どうしたらいいかわからない、というタイプの行き詰まりでもない。
対応策は考えられるのに、実行するための“エネルギー”が湧かない。

精神科のオンライン問診を受けた結果、私はうつ症状と診断されました。
(うつ病やうつ症状についての一般的な説明は、厚生労働省の案内も参考になります)
https://kokoro.mhlw.go.jp/depression/


HSPの“うつ”は「心の弱さ」じゃなくて「神経の過労」かもしれない

HSPは、刺激を受け取りやすく、深く処理しやすい特性があります。

人の表情、
空気、
物音、
未来の可能性——

“気づかない人がスルーできる情報”が、脳内にどんどん入ってきます。
そしてもうひとつ、私自身が強く自覚しているのは、無意識のシミュレーション癖です。



20歳前後の私がしていた、未来の“過剰な想像”


私が20歳前後の頃、結婚相手すらいなかったのに、こんなことを真剣に考えていた時期がありました。

  • 私が適齢期に子どもを産んだとして
  • その子が生きる地球の自然環境は安全なのか
  • 日本の高齢化社会の影響で、安心して暮らせる時代なのか

まだ何も始まっていないのに、“守りたいもの”だけが先に頭の中に生まれてしまう..
HSPの思考の深さは、時に優しさでもあり、時に負荷にもなります。



息子が生まれてから:シミュレーションは“日常”になった

息子が生まれてからは、そのようなシミュレーションは日常的なものになりました。

若い頃のように何十年先も含め、
数年先、数ヶ月先、について、時間が合えばつい考え続けてしまう。
息子の成長と、時代の変化について。

例えば、AIの進化で多くの仕事がなくなるとしたら、
日本もベーシックインカムが導入される可能性があるのか。

その金額設定によって、多少の安心になるのか、やはり心配事になるのか……。

明日の具体的な心配から、もう私がいないであろう先の出来事まで、息子に関連することは日々考えます。

こういう“先回り思考”は、性格の問題というより、
脳がずっと働き続けてしまう状態に近いのかもしれません。


「悩んでいないのに動けない」—これがいちばん苦しい


私HSPでうつを経験する人が多いとしたら、それを「メンタルが弱いから」だと、自分を責めてほしくないです。
恐らく、私と同じように環境からの刺激や思考の深さによって、神経が疲弊している状態なのかな…と思います。

私は心理的に悩んでいるわけではないのに、思うように体(脳)がついてこないことを、いまもどかしく思っています。
このことは、言語化しておいた方が良いと思いました。

「心の問題」とされると、頑張り屋ほど自分を責めやすいから。
(「燃え尽き症候群」は、うつ病と診断されることもある、といった説明もあります)https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1693/

心が折れているのではなく、脳が疲弊して“機能低下”している。

「自分を責める材料」ではなく、「休むべきサイン」だったのかもしれません。


私が今、毎日意識していること(小さなことから)


私はまだ途中です。
正直に言うと、焦燥感はなくなったわけではありません。

それでも、今は「まず自律神経を落ち着かせる」ことを優先しています。

  • 呼吸を整える(浅くなっていることに気づくだけでも違う)
  • “考え続けている自分”に気づいたら、いったん止まる
  • 「今は脳が疲れている」とラベリングする
  • できない日があっても、能力の問題にしない

そして、これは強めに書いておきたいのですが、
もし「生活に支障が出る」「安全が保てない」「希死念慮がある」などの場合は、迷わず医療につながってください。

受診は敗北じゃなく、回復のルートです。


「私にはうつになる時間がない」と思っている人へ


かつての私に、今の私が言うならこうです。
“うつになる時間がない”人ほど、うつになりやすい。

そしてHSPの人ほど..

  • 周囲の刺激
  • 思考の深さ
  • 気づきの多さ
  • 責任感

    これらが積み重なって、神経がすり減りやすいのかもしれません。

あなたが弱いのではなく、
あなたの脳が一生懸命だっただけかもしれない。



まとめ:それは「心」じゃなくて「脳」の問題として捉えていい

  • 悩んでいないのに動けないことがある
  • それは“心の弱さ”ではなく“神経の過労”かもしれない
  • HSPは刺激処理量が多く、無意識のシミュレーションで消耗しやすい
  • 自分を責めるより「脳の休息」を最優先にしていい
  • 必要なら医療につながるのは自然なこと

私はこの経験を、同じように「理由がわからないのに動けない人」に届く形で残したかった。
言語化することで“自分を責めるループ”から少し離れられると感じています。

「うつになる時間なんてない」と思っていた私が、いま思うのは——
うつになる時間がない人ほど、休めないぶん、限界に近づいてしまうことがあるということです。

この文章が、同じように「動けなくて苦しい人」の、
自分への扱いを少しでもやさしくするきっかけになりますように。




※体験は私自身のものですが、うつや燃え尽きについての一般的な説明は、信頼できる情報もあわせて確認しながら書きました。
気になる方は、よかったら参考にしてください。

  • 厚生労働省:うつ病に関してまとめたページ(まもろうよ こころ) うつ病の概要、治療(休養・薬物療法・精神療法)など全体像の整理に。 
  • 国立精神・神経医療研究センター:こころの情報サイト(うつ病) “原因ははっきりしないこともある/脳の働きの不調として捉えられる”という説明が、あなたの記事の主旨と相性◎。 
  • 国立精神・神経医療研究センター病院:うつ病(患者向け説明) 「脳の機能障害が起きている状態」という表現があり、“心ではなく脳”の視点を補強できます。 
  • 厚労省(用語解説):燃え尽き症候群 「燃え尽きが、精神医学的にはうつ病と診断されることもある」など、あなたの“燃え尽きっぽさ”の説明に添えやすいです。 

  • まもろうよ こころ(相談先の案内) https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
  • こころの健康相談統一ダイヤル(自治体の相談窓口につながる案内) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/kokoro_dial.html
  • よりそいホットライン https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/

HSP Overthinking as a Survival Strategy前のページ

HSP’s “Deep Thinking” Is a Survival Strategy次のページ

関連記事

  1. HSP(親の視点)

    HSP Overthinking as a Survival Strategy

    The Brain-Based “Deep Processing” …

  2. HSP(親の視点)

    いまこそ公教育でのICT活用を

    求められる変化への対応力新型コロナウイルスの感染が拡大する中…

  3. baby

    HSP(親の視点)

    HSPはなぜ考えすぎる?深い思考の正体と脳の仕組み

    1. HSPはなぜ「考えすぎる」と言われるのか「HS…

  4. HSP(親の視点)

    ありのままの自分でいいと思える環境を

    母として。彼らしい人生へ導くには..いまできること。現在マコ…

  5. 雨で濡れた窓

    HSC

    敏感っことお天気【気象病・天気痛を付き合う】

    気象病・天気痛とは?微熱や動悸など自律神経失調症に悩まされて…

  6. HSP(親の視点)

    HSP / 自己テスト

    エイレン・N・アーロン博士によるHSP(とても敏感な人)チェックリス…

最近の記事
  1. Their depth is not a flaw
  2. little girl
  3. HSCとASDの違い イメージ
  1. 敏感っこの成長記録

    子どもの低体温【改善できる?】
  2. Sensitivity and Sensory Differences

    What Is the Difference Between HSC and A…
  3. HSCの感覚鈍麻のイメージ

    敏感っこの成長記録

    感覚鈍麻とは?HSCの我が子に見られた“過敏だけではない”感覚特性
  4. 発達特性(ASDなど)

    新薬メラトベルの効果【敏感っこの不眠】
  5. Minecraft

    ホームスクーリング

    マイクラ×スクラッチで学ぶ次世代の重要スキル【プログラミング学習】
PAGE TOP