複雑な困り感。最大の悩みは?
マコトの発達が本格的に気になり始めた1〜2歳当時。その頃から私が胸をザワつかせていた不安は、マコトの特性を周囲に理解してもらえるかどうかということだったと思います。
乳児健診でも特に指摘されなかったように、一見すると困り感の目立たないマコトが、自分の能力・特性に合った支援を受けていくために、周囲へどういった方法でアプローチをしていけばいいのか。自立を目指していく上で、何を優先的に考えて取り組んでいくべきなのか.. 考えても明確な答えにはなかなか辿り着けなかったし、マコト8歳現在も変わらず悩んでいます。
・本人が自分自身の特性を深く理解をした上で、不得手な場面での対処法を身につけていくこと。
・必要な場面で特性に応じたサポート(合理的配慮)を受けられるように、周囲が理解しやすい説明をしていくこと。
悩みは尽きないけれど、この二つは最重要課題。
自分で可能な限りの防衛をしていくことはもちろん、必要な場面でSOSを出せるスキルは必ず必要..! マコトの成長過程で、常に私の頭から離れない課題です。
なぜなら実際に不安は的中。やはり特性が理解されにくいと感じてきたからです。
マコトの場合、自閉スペクトラム症(以下ASD)の特性に関係するのは感覚・運動の問題(感覚処理障害・発達性協調運動障害)です。
小児科に受診時や発達相談の場面で「自閉症ではない」という類の見立てが幼児期から多かったのですが、座って診察を受けたり、簡単な受け応えをする程度では感覚の問題や運動面はわかりにくいだろうと思います。
そしてASDらしい特性の ”対人コミュニケーション”や ”こだわり” については、マコトも課題はあるものの一見わかりにくく、診断がつく程度のグレーではないのかもしれません。幼児期から違和感なく方言を話している点もASDっぽくはありません。
また、HSC(感受性・共感性・想像力→ひといちばい+++)を持ちあわせていることの影響は大きいと感じます。ASDと対照的なイメージを与えて、『やる気・性格』の問題だと誤解されやすいのが現状です。
相手(先生・友達)の思いを察することで、無理をしてまで要求に応えようとしてしまう..そんなHSCらしい気質に、困り感がマスクされている気がしてならないのです。
初めての集団生活【見えにくい特性】
幼稚園では登園から降園まで付き添ったことで、マコトの抱えている課題が、私の中で浮き彫りになりました。(もちろん、お友達に優しく協調性があるなど、彼のプラス面もたくさん知ることができました!)
私が特に問題視したのはこの二つ..
・マコトが人(先生・お友達)の顔色・空気を読みすぎること
→人に合わせすぎる
・支援してくれる先生の「先入観(特性に対する)」の怖さ
まず、マコトは自分の内面を表現していくこと・伝えていくことが人一倍苦手だということはすぐに見て取れました。
例えば、園ではマコトと同じように上手く言葉で伝えられないお子さんの場合、泣くことで周囲にヘルプを出していたのですが..マコトはとにかく外に出ると、負の感情(悲しみ・怒り)を押し殺して我慢してしまうのです。
HSCの場合、人の痛みにダメージを受けるので、どうしても相手に合わせすぎてしまう傾向にあるのだと思います。
だけど、集団生活ではどうしても『手がかからない(トラブルがない)』=『支援の必要がない』というイメージに繋がりがち。一人の先生が担当する子どもの数はかなり多いので、言動が目立つお子さんに目に留まりやすいことはやむをえないことだとわかるものの、もどかしい、どうしようもない気持ちで見守っていたような気がします。
主に不器用さや体幹の弱さからの問題で、マコトはいつも静かに困っていました。園内で私がフォローをすることはできたのですが、先生方の「マコトくん、全然大丈夫じゃないですか!」という評価が、私からすればとても楽観的なもので、自分の抱える不安感とのギャップが大きかったです。
いつまでも私が助けてやれないことに対する焦り.. 一人で抱え込んでいた気がします。
先生という立場では、やはり子どもを伸ばすことにやりがいを感じられる方が多いのだろうなぁ.. と想像しています、実際どうなのでしょうか。
子どもたちの可能性を引き出したいという先生方の意欲。発達に凹凸がある子の場合は、意図しない形で実際は子どもの負担になってしまっていることもあるかも..?しれません。マコトの場合は先生が求める要求に対して、能力的に応えることができずに自信を失っていった側面もあるのです。
ただ、もちろん先生方の言動は善意なので、とても複雑な心情です..
そういった先生の期待に無理をして合わせようとするマコト。次第に就寝時には「できない」「わからない」などと寝言でうなされることが多くなり、いわゆるフラッシュバックのようでした。
だけど園では笑顔を見せ、涙は堪えました。
私も園に対してマコトの特性を伝えていたものの、当時はまだ3歳。発達のゆっくりな子を心配する”過保護なお母さん” に映っていたかもしれません。
結局、退園を決めるまで、私と園の間での思いにはかなり温度差がありました。
入園前の2歳当時に診断を求めて、現在の主治医に辿りついていましたが、目に見えずに理解され難いモノは、わかりやすく可視化していくことの重要性を、園生活を経験後は、より一層強く感じています。
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