通学途中の男の子とカバン

ホームスクーリング

”好き”を伸ばして自信と安定に

母子分離はスモールステップで

今朝は終業式に向かう息子マコトの後ろ姿を、校門越しに見送りました。

感覚過敏や運動発達の課題から30名の教室には入ることが難しいマコト。少人数の支援学級でも、特性や能力に合った学びをすることは、学校の支援体制的にもなかなか叶いません。2年前から週2時間の限定登校に切り替え、ホームスクールをベースに自分に合った学び方で毎日を過ごしています。

分離不安から、短時間登校とはいえ私が一時帰宅することは難しく、昨年2年生の1年間は教室の前で待機していました。校門から一人で教室まで行けるようになったのはつい3ヶ月ほど前から。途中、姿は見えるけれど距離は遠い位置まで見送ったり。本当に少しずつ、少しずつ、その時々の本人のOKが出る位置で距離を離していきました。
ずいぶんと不安が軽減されてきたようで、不安を抑えるために2年近く服用していたエビリファイ(抗精神病薬)も必要がなくなったのです。

マコトに合った環境と学習方法を選び直そう、と二人で話して始めてみたホームスクール。学びの場を学校以外に決めたことで、誰かに合わせる必要もなく、自分のペースを確保できたことは、マコトの心理的負担を軽くしました。
自分で決めた時間数を休むことなく登校できたことは、達成感を感じることができたみたい。何より、学校が辛い思い出になったりすることなく、現状としては上手く利用できている感じです。

安定はしてきたものの、その安心は時間数を限定していることが前提です。登校時間・日数を今後増やしていく予定はいまのところありません。もちろん、必要な合理的配慮を受けながら本人も安心して楽しく学習できるのならば、もう少し学校を利用できると助かるのですが..。そのためには学校の支援体制が大きく変わらないと現実的に難しいです。学校に対して、できる限りの働きかけはしてきたつもりなので私も迷いなく。いまのマコトが望む生活スタイルで応援したいと思います。
安心の安全基地から、自分らしさを発揮していけるように..!

▶︎自分の可能性を探るには【不登校はスタート地点】


【敏感っこ】認められた!高まった自己表現欲求

写真を取る男の子

敏感なHSCはどうしても環境に大きな影響を受けてしまうことは、自分(HSP)の経験からも感じてきました。発揮できる能力が、かなり左右されてしまうのです。
安心できる環境に恵まれなかった場合。頑張って普段と同じパフォーマンスができたとしても、HSCの場合は恐らくその時の疲労度は、非HSCに比べてかなり大きいだろうと思います。

マコトも例外ではなく、加えて運動面での不便さ(発達性協調運動症)を併せ持っているので、画一的な授業では様々なストレスを重ねて抱えてしまっていました。

これでは学ぶ面白さを知る前に心が病んでしまう.. 校内で付き添っていて、皆と同じ道を歩むことにデメリットしか感じられませんでした。マコトの豊かな感性を活かせる場面もなく、自信をなくすことが多い学校生活の先に何が見えてくるのか疑問ばかりが膨らんでいたかもしれません。

ひといちばい敏感。そして極端な不器用さからどうしても自信を失いやすいマコトには、自分の興味に向き合うことに時間を割いて欲しい..! 自分の好き、を追求して表現したモノを、周囲に認めてもらうような経験を重ねるために。
ホームスクールで確保できた時間では、まず好きを極めることから始めました。


1日1時間ほど放課後デイ(学習・ソーシャルスキルトレーニング・創作活動等)に出かける以外、外での活動は本人の好きな写真撮影に時間を割いています。

マコトお気に入りの被写体は、神社仏閣や植物。そして車。専用のミラーレスカメラを持って、今年もいろいろな場所へ足を運びました。撮りたいテーマを決めて、観光本やマップを見ながら撮影場所を決めるのも楽しいようで、この1年で出かけた撮影地は5〜60箇所ほど。

撮影した写真は、主治医の診察室、お世話になった療育園、通所中の放課後デイなどが飾ってくださりました。たくさんの方が見てくださることで、様々な声が本人にも届くことは本人の大きなモチベーションです。また、私がアカウントを管理のもとSNS でも写真をアップしているのですが、その反応はやはりとても嬉しそう。
今年は、参加した市の写真教室での作品が優秀賞に選ばれたり、日頃から撮りためている作品から2点が名古屋市博物館での展示の機会に恵まれたりと、これまでに経験のない刺激がありました。

いまは画像編集や動画編集も少しずつ覚えて、表現の幅を広げていくことが楽しくて仕方がない様子です。

体の安定は心の安定

元気に運動をする男の子

写真を始めて、人との繋がりが増え、行動範囲も広がり、一つひとつの行動が何かしら次の新たなアクションに繋がるようになりました。いまの時期だからこそ特に大切に考えたい、自己肯定感を支えてくれています。

写真活動がプラスになったのは、メンタル面だけではありません。
体幹が弱く、疲れやすく、過敏がひどいマコトにとっては、ミラーレスとはいえそこそこ重いカメラを使っての長時間の撮影は少し前では考えられないことでした。人の多い観光地やバス・電車移動もなかなかハードです。そして、構図を考える集中力や、カメラを構える姿勢など鍛えられることばかりです。

マコトは以前では考えられないほど歩けるようになり、体力・筋力が人並みについてきたようです。運動量の変化からか、しっかりとよく食べるようになり、かなり細身だった体格は、いつの間にかたくましいシルエットに変わってきました..!
そして何より深く眠れるようになったこと。日常生活の中で、本当にベースとなる部分がしっかりと安定してきたのは嬉しいかぎりです。

やはり好きなことに費やす時間と、そこから得た経験が、心身ともに元気にしてくれている! そんなことをしみじみと実感した1年でした。

▶︎ 敏感っことプログラミング

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