息子のマコトと私が生まれ持った敏感気質は、*HSP(成人)・HSC(子ども)と呼ばれ、日本でも敏感さに悩む当事者やその親御さんを中心に定着しつつあります。
先天的に脳の性質が大多数の非HSPとは異なっている、そしてそれは疾患や障害ではない。ただ、(脳のタイプが)”違っている”という新しい概念です。またその違いは優劣ではなく、個性だと考えられます。
*HSP(The Highly Sensitive Person)とHSC(Highly Sensitive Child)は脳の違いを表す用語であり、それぞれとても敏感な人(子)を意味します。この概念を提唱したアメリカの心理学者・エイレン・N・アーロン博士はHSP/Cについて、全人口の15~20%・およそ5人に1人に見られる正常な気質のバリエーションであり、機能障害や心の痛みが原因ではないとしています。
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HSPが自分の気質と向き合うことで得られるメリット
アーロン博士の『感覚処理感受性(※3)』に関する研究を知ることで、『敏感さ』や『内向的』であることのプラス面を感じることができました。人生で長い付き合いのこの感覚に、改めて名前が付けられたことは、自分のぼんやりとしていたアウトラインが浮かび上がり、疎外感のようなモノから解放されたような..何ともいえない安堵感に包まれました。
・自分が何者なのか生きづらさの正体を突き止めたこと
・自尊心の低かった子ども時代を捉え直し、自分なりに最善を尽くしてきたと思えたこと
・非HSPの両親が自分の敏感さに気付かないことは、やむを得ないことだと改めて思えたこと
こうしてインナーチャイルド(※4)を癒すことで、これまでの人生を肯定的に受け止め、その価値を与えることができたような気持ちに落ち着くことができました。
そして何よりHSP/Cの概念は、マコトの子育てをする上でも意識を変えるきっかけを与えてくれました。HSCのマコトにとって大きく影響するのは私の心身の状態。私自身がバウンダリー〈心の境界線〉を育てることを意識するようにもなりました。
もちろん、HSCであるマコトへの接し方、困りごとへの対処法についても大きなヒントを得たことは言うまでもありません。
(※4)一般的な心理学や分析心理学では、インナーチャイルドは個人の子供らしい面を指し、思春期以前の子どもの頃に学んだことが含まれます。参考 : Inner child
(※3) sensory-processing sensitivitity /SPS