HOME

内向的な子どもが必要とするもの【自己成長と自信】

内向的な子どもの見分け方

一般的に外向的であることが理想とされている社会で、内向的な子どもが直面する問題は数々あります。学校生活でも外向性を求められる場面は多いために、内向的な子どもは自己肯定感を育みにくい環境で過ごすことを強いられます。
私自身の経験から、やはり内向的であり敏感な気質であることから生きづらさを抱えていたと自覚しています。親はそのような子どもに対して、どのように向き合えば良いのでしょうか。
まず、内向的な子どもについて、自分自身にも当てはまるわかりやすい特徴をいくつか紹介します。

◆静かである
内向的な子どもは、外向的な子どもに比べて口数が少ないのが一般的です。話し手ではなく、聞き手であることを好むのかもしれません。慎重さが目立つので、自分の発言による影響についても深く考えることから言葉を選びます。

◆観察力・洞察力がある
内向的な子どもは、観察する時間が長いために観察力が優れ、他の人が見逃すような細部にまで気がつくこともあります。観察眼が鋭く、環境の変化にも敏感かもしれません。
また、表面的な部分だけではなく、見えていない本質的な部分まで見抜く力があるために、問題解決方法を導き出す力に長けていると感じます。

◆孤独の必要性を尊重する
内向的な子どもには、自分を見つめ直し、充電する時間が必要です。外向的な子どもが人との交流でストレスを発散できることと同じように、内向的な子どもがひとりで過ごす時間を確保することは、彼らの心の安定に繋がります。そのためには、静かな場所を用意することも大切です。

◆ソーシャルセッティングを構成する 
内向的な子どもは、社会的な場をうまく立ち回るのが難しいと感じるかもしれません。保育者としては、社会的な状況を構成して、集団の中での相互作用がストレスにならないようなフォローをすることで、助けることができます。我が家では内向的な息子は、放課後デイでソーシャルスキルトレーニングを継続しています。デイでのプログラムは、不安を和らげるために、社会的な状況を再現したり、会話のきっかけが提供されており、安心して経験を重ねることができています。

内向的な子どもに無理に外向的な行動を求めない方がよい理由

内向的な子どもが外向的な行動を求められることは、自信を失わせる可能性があります。具体的には、挨拶を強要することや、場慣れをさせようと賑やかな集まりへの参加を無理に勧めることなどです。

◆ストレスと不安
内向的な子どもが外向的であることを繰り返し押し付けられると、ストレスや不安を感じたり、適合しなければならないというプレッシャーを感じやすくなります。その結果、自尊心の低下や不安感、さらにはうつ病を引き起こすことにも繋がりかねません。

◆アイデンティティと真正性の喪失
内向的な子どもは、[自分の行動を変えなければならない]というプレッシャーを感じると、本来の自分らしさを見失うことがあります。内向的な子どもは、自分の自然な傾向を抑えて、人を喜ばせようと努めるようになり、無理をしてでも自分には合わない行動をする必要性を感じてしまいます。これは、アイデンティティと自信の喪失につながる可能性があります。実際、私自身はこのような経験を重ねることで、本来の自分でいることに不安をも感じるようになりました。

◆燃え尽き症候群と疲労困憊
内向的な子どもたちが常に社会的な刺激にさらされると、消耗して疲れ果て、燃え尽き症候群になることがあります。これは身体的、精神的な健康問題を引き起こすばかりか、学業成績にも影響を与えかねません。

◆抑制と創造性の欠如
内向的な子どもが外向的であることを強いられると、自己表現や創造性が制限されることがあります。自分のユニークなアイデアや意見、視点を共有できないと感じ、抑制や順応、革新性の欠如につながる可能性があります。消極的になることで、自らの可能性を広げることが難しくなります。


内向的な子どもをどうサポートするか

このような内向的な子どもに対しては、無理に外向的にするのではなく、自然な傾向を受け入れてサポートできることが、やはり理想です。自分の経験からも、以下の内容は効果的だと考えます。

◆安全な空間を作る
内向的な子どもたちが、批判や拒絶を恐れずに自分らしくいられるような、安全で育つ環境を提供する。肯定的な自己表現を奨励し、感情を認め、耳を傾けてあげましょう。

◆ 子どもの境界線を尊重する
子どもの限界と境界線を尊重し、不快に感じることを無理強いしない。自分のペースと快適さで物事を処理できるようにする。

◆長所を伸ばす
短所に目を向けるのではなく、長所に注目することがおすすめです。創造性や思慮深さを強調し、得意分野で活躍できることで将来に対する視野が広がります。

内向的な子どもが自己成長し、自己肯定感を高めるには、自分が興味を持っていることに没頭することが必要です。得意な分野を見つけ、それを徹底的に追求することで、自己成長と自信を得ることができます。それさえ手に入れることができれば、内向的な子どもは安心して外部世界に飛び出すのではないでしょうか。無理に自分らしさを抑えることなく、自然体で人と交流することができるようになります。

まとめ : 必要なものは【自己成長と自信】

内向的な子どもに求めるべきものは、自己成長と自信です。内向的な子どもは、自分自身と向き合い、内側での活動を通じて自分を充電することができます。
そして彼らは、自己成長と自信を手に入れるために自分の興味の対象とじっくりと向き合うことがとても大切です。また、得意な分野を見つけて、それを徹底的に追求することで、自己成長と自信を得ることができます。このようにして内向的な子どもも、自分の武器を持つことで、不安なく、自然と人と交流することができるようになります。

そこに辿り着くまでには、親として不安は拭えないかもしれません。でもどうか、内向的な子どもが持つ可能性を信じてみてください。彼らが安心して自分らしさを発揮できるほど、自分の好きな世界と向き合える環境と時間を確保してあげることが、より良い将来に繋がります。いまとは違った景色が見えると思うのです。

参考文献 
Susan Cain – The Power of Introverts (TED Talk)
https://www.ted.com/talks/susan_cain_the_power_of_introverts

関連記事

  1. ど子へ向かうべきか方向が示された矢印

    HSC

    自閉症・診断のメリット【HSC+ASDを疑う場合】

    困りごとを可視化する〜HSC+ASDの経験談〜低緊張で不器用…

  2. 雨で濡れた窓

    HSC

    敏感っことお天気【気象病・天気痛を付き合う】

    気象病・天気痛とは?微熱や動悸など自律神経失調症に悩まされて…

  3. 真っ白なノート

    HSC

    HSCかを知るためのチェックリスト【自閉症との比較】

    子どもは自分の感覚を上手く言語化したり、自らの環境を選ぶことができま…

最近の記事

  1. TOKYO
  1. ど子へ向かうべきか方向が示された矢印

    HSC

    自閉症・診断のメリット【HSC+ASDを疑う場合】
  2. HOME

    内向的な子どもが必要とするもの【自己成長と自信】
PAGE TOP