心や五感が敏感な人の中には、不眠で悩んでいる人も少なくなさそうです。それに加えて現在のコロナ禍では、不安やストレスは普段にも増して大きくなりやすく、発達障害(神経発達症)やHSCの子どもたちの睡眠の困りごとも増えている気がしてなりません。
敏感っこに睡眠障害があると、特性が強くなることで日常に影響が現れたり、またそのことが更に眠りにくくするなど、相互に悪循環を生み出してしまうことは想像がつきます。
不眠の悩みは息子のマコトも例外ではなく、乳児期からぐっすりと眠ることが難しい子でした。そんなマコトが服用してきたお薬について記したいと思います。
※効果・薬との相性・副作用の出方などには、当然ながら個人差があるかと思います。あくまで参考程度に読んでください。
■ペリアクチン
現在小学4年生(9歳)のマコトは、彼の主治医(小児神経科医)の勧めで、不安定な睡眠を改善させるために4歳から薬を服用しています。
まず幼児期に服用していたのは、*ペリアクチン(シプロヘプタジン)という抗アレルギー剤。不眠の治療として処方されていました。匂いや味に過敏で甘いシロップが苦手なマコトは、喉越しのいい服薬ゼリー(すっきりしたレモンタイプ)で飲もうと錠剤を選びました。
薬剤師の知人の話では、ペリアクチンは昔ながらの薬だということ・副作用も少ないなどと聞いていましたが、やはり薬物療法を始めることに抵抗がなかったわけではありません。けれども不安の強さから外出も難しいほどだった当時の状況から、不眠が様々な悪循環へ繋がることを避けるためにも、必要な治療だと服薬を決めました。
結果、ペリアクチンはマコトの場合、副作用などはなかったものの、不眠に対しても実感できるほどの効果は感じられませんでした。入眠に時間がかかることもあれば、わずかな物音・光・気配で眠りが浅くなったり目が覚めることも..
小学校に入ってからは、服用をストップ。しばらくは生体リズムを改善することで体内時計のずれをリセットできるように奮闘しました。
【参考】KEGG MEDICUS : 医療用医薬品
・ペリアクチン
■ロゼレム
小学3年生になったマコトは、薬物療法を再開。ロゼレムという不眠症治療薬の服用を開始しました。彼の眠りの質は、負の連鎖からなかなか改善しなかったのです。
〜マコトの場合〜
極端な不器用さ(*DCD)・不安感の強さ・感覚過敏
↓
ストレス
↓
自律神経への悪影響
↓
睡眠の質の低下
*DSD : 発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder)
成人1日1回1錠(8mg)の半錠(4mg)を、マコトは1回分として処方され、就寝前に服用しました。
マコトのロゼレムの効果は緩やかで、目立ったものではありませんが、眠れなくて困った日はなくなったように思います。また、副作用も特に感じなかったということです。
ただ本来は成人用なので、あまり長期間は頼りたくない気持ちでいたのは本音です。
【参考】KEGG MEDICUS : 医療用医薬品
・ロゼレム
■新薬メラトベル[小児神経発達症児向け]
そしてロゼレムに変わって、マコトの主治医から勧められた薬は昨年2020年3月に承認されたメラトニン受容体作動性入眠改善剤で、商品名はメラトベル (一般名:メラトニン)。小学4年現在、毎晩服用中です。
成人用のロゼレムに対して、メラトベルは、神経発達症(発達障害)の小児用治療薬ということなので、医師の判断で条件を満たす場合、初めて薬物療法を検討するお子さんも比較的受け入れやすいのではないでしょうか。
マコトは寝起きからエンジンがかかるまでには時間がかかるタイプです。主治医からは昨年から既にメラトベルの服用を始めたお子さん達の事例として、目覚めから頭が冴え、午前中から活動的になったケースが多いと聞きました。
確かに入眠はスムーズで中途覚醒がほぼなくなったことから、ある程度は深く眠れているために寝起きも比較的良くなったと感じます。劇的な変化とは言えませんが、副作用もなく、本人には合っている様子。
体内時計を整えて、自然なリズムが作れるようにしばらくメラトベルは継続していくつもりです。
マコトのように生活習慣や睡眠環境を整えることで入眠困難が改善されない場合に、メラトベル(顆粒小児用0.2%)について相談してみることもひとつかもしれません。
個々に合った方法はそれぞれだと思います。不眠改善の足がかりとして選択肢がひとつ増えたことは、敏感っこにとっては安心材料になるのではないでしょうか。
【参考】
▶︎小冊子 ”メラトベル顆粒小児用0.2%を服用されるお子さんと保護者の方へ”ノーベルファーマ株式会社
▶︎KEGG MEDICUS : 医療用医薬品
・メラトベル
▶︎くすりの適正使用協議会 薬に関する知識をわかりやすくまとめたサイト